Meckel(メッケル)憩室 ~ 大腸内視鏡検査
Meckel(メッケル)憩室 Meckel diverticulum
Meckel憩室は1809年にJohann F.Meckelが胎生期の卵黄管の遺残によって起こる憩室としてはじめて報告されました。
頻度は全人口の約2%とされ、男性に多く無症状で経過することが多いとされていますが、一般の検査では分かりにくく自分の経験では2%の頻度には感じられません。
新生児、幼児、学童期に多く、若年者の原因不明の消化管出血や憩室炎を契機に診断される事がおおいそうです。
病理・病態生理
ヒトの正常な発生過程では中腸と卵黄嚢は卵黄管でつながっていますが、卵黄管は閉塞退縮する過程で腸管側に盲嚢を形成し、憩室や索状物を残すことがあるります。
Meckel憩室は卵黄管の腸側の遺残奇形であり、回盲弁から口側40~100cmの回腸の腸間膜付着部対側に存在します。
組織学的には粘膜、筋層、漿膜よりなる真性憩室で、約16%に胃粘膜、約4%に膵組織の迷入があるとされます。
主に迷入胃粘膜の胃酸分泌により異所性胃粘膜と回腸粘膜の境界部に潰瘍を形成し、下部消化管出血や穿孔を起こす事が多いそうです。
憩室炎や憩室の内翻により腸重積や腸閉塞をきたす場合や、卵黄腸管索状物による腸管絞扼や腸管捻転をきたす場合があります。
臨床所見
合併症は約25%程度にみられ、原因不明の下血や下腹部痛、嘔吐などと報告されています。
下血は一般に急激に発症し、反復する新鮮な大量出血をきたし、貧血やショック症状を呈することがあります。
検査所見・診断・鑑別診断
若年者に起こる原因不明の消化管出血や腸閉塞では、本疾患を疑い小腸造影、シンチグラム、血管造影、腹部超音波検査、腹部CT検査などにより診断されます。
Meckel憩室炎の症状は急性虫垂炎に酷似することがあります。
小腸造影
経口法とゾンデ式二重造影法がありますが、大変な検査です。
回腸に嚢状の憩室像としてとらえられれば診断がつくことがあります。
血管造影
大量の出血が持続している場合には、血管造影で造影剤の血管外漏出が確認できることがありますが実際には血管造影をしているときに出血が起こっていなければ分からない事が多いようです。
シンチグラム
50%以上に異所性組織を認め、胃粘膜が存在する症例ではMeckel憩室シンチグラムが有用だと報告されています。
治療
合併症を有する場合には、外科的切除を行う場合があります。