痔核 hemorrhoid ~ 大腸内視鏡検査
痔核 hemorrhoid
痔核には内痔核と外痔核があり、成因的には異なる疾患です。
歯状線の口側にできる痔を内痔核、肛門側にできるものを外痔核と総称しています。
外痔核は疼痛が激しいものがあり、血栓形成性外痔核と呼ばれ、血栓を摘出することにより劇的に症状が改善します。
内痔核には臨床的な程度分類があり、それぞれの程度により治療方法が異なってきます。
病態
内痔核は歯状線の口側にできる静脈瘤であるという説が有力でしたが、最近では肛門管のcushion組織の滑脱のために起きるという説が有力になってきています。
外痔核は歯状線より外側にできた腫瘤で、粘膜下の破綻による血腫と血栓が本態です。
臨床所見
内痔核の初発症状は排便時の出血です。
放置しておくと徐々に症状は悪化してくるのが常です。
診断は視診、直腸指診、肛門鏡検査が基本です。
最近は肛門鏡の先端にCCDカメラを装着したものが主流で、診察時に患者も一緒に視れることが可能となりました。
程度は4分類です。
1度:排便時に出血するのみで、痛みは伴わない。
2度:排便時に肛門外に内痔核が脱出するが、排便終了時には自然に肛門内に還納する。
3度:排便時に肛門外に内痔核が脱出し、排便後も自然還納せず、用手的に還納させる。
4度:常時肛門外に脱出している状態で還納不可能な状態。
検査所見
血液検査所見では、慢性持続性出血のある患者では著明な鉄欠乏性貧血を呈することがあり注意が必要です。
そのほか、肝硬変や腎不全に伴う内痔核もあり、肝機能障害の有無のチェックや腎機能障害の確認が必要になります。
性行為感染症の有無も問診時にチェックし、必要があれば感染症の確認が必要な場合もあります。
診断・鑑別診断
診断法は視診、直腸指診、肛門鏡検査ですが、出血が主症状のときは癌との鑑別が必要で、大腸鏡内視鏡検査が必要です。
経過・予後
予後は適切な治療のほかに生活習慣の改善を行えば良好です。
痔核患者は排便習慣が誘因となりやすいので、便秘や下痢の改善、長時間の立ち仕事や肛門に負担のかかるような生活を改善しないと再発する場合が大変多いようです。
治療
内痔核治療法は保存的療法と手術療法(観血的治療法)に大別されます。
[1]保存的治療法
(1) 内服治療:血流改善薬、止血作用薬、緩下薬。
(2) 外用薬:坐薬、軟膏。
(3) 生活指導:食事、飲酒制限。排便習慣の是正。
[2]手術療法
(1) 注射療法:アーモンド油、ポリドカノール ⇒ ⇒ 、消痔霊(硫酸アルミニウム+タンニン酸)。
(2) 結紮切除術:閉鎖術式、半閉鎖術式。
(3) 特殊な機器を用いた手術:ゴム輪結紮術、LCS(超音波切開凝固装置)、bipolar scissorsを用いた手術、vessel sealing systemを用いた手術。
(4) PPH:粘膜環状切除術。
(5) その他:半導体レーザー療法、凍結療法、内視鏡的痔核結紮術。